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ロケットニュースが愛される理由 羽鳥豪編集長に聞く

文・古田大輔

デジタル・ジャーナリスト育成機構(D-JEDI)は2024年4月から、ライティング・編集を学ぶ連続講座を始めます。

4月24日に開く最初の講座では、人気ライター・編集者にどんな経験を積み、何が必要とされているのかを語ってもらいます。

登壇者の中で異色の存在なのが、ロケットニュース24羽鳥豪編集長

女装した「スーパーレイ」(右)としても人気の羽鳥編集長

フリーの漫画家として活動しながら2009年設立のロケットニュースに入社。編集長となって10年間、編集部員(社長、技術、営業など含む)13人、外部ライター25人を取りまとめています。

月間5000万PV、Xフォロワー21万人、個性的なライターたちによる独自路線のコンテンツでスマートニュースの読者投票賞を2020年から3年連続表彰。YouTubeのフォロワーも45万人と、輝かしい実績を誇ります。

(脅威の1.3億回視聴された「スパイダーマンから逃げてみた」)

「取材力や文章力などのテクニックは後から学べる」という羽鳥さんに、ロケットニュースを愛読するD-JEDI理事の古田大輔がインタビューしました。


羽鳥編集長インタビュー「生き様を見せる」

「ロケットをチェックしていたら世の中が変わって見える」

古田
ロケットニュースの一般的な印象って、編集部員が自分の関心に基づいたネタに体当たりしたり、いろんな商品を買って試したりする「エンタメ系メディア」ですよね。

羽鳥さんから見るとどういうメディアですか?

羽鳥
「成功も失敗もありのままの生き様を見せるメディア」です。「ロケットをチェックしていたら世の中が変わって見える」ような。「ロケットというドラッグをキメたら世界が変わって見える」みたいな。

ロケットニュース24のトップ画面

古田
サイトのトップには「昨日のニュースをいち早くお届けしたい」と掲げていますよね。

羽鳥
昔からそう書いてあるんですけども、今はこれではない気がして、最近は自分の言葉で「生き様を大切にしている」って話しますね。失敗してもいいから自分を見せよう、と。

古田
そういう方向性は話しあって決めたんですか?

羽鳥
話しあったりしないけれど、みんな長く勤めているし、お互いを見せ合っているから、方向性も似てきますよね。

編集部で働く羽鳥編集長

会議はネタと予定の共有 目標は立てない

古田
会議はやっていますよね?

羽鳥
毎週月曜日にオンラインでやります。主に予定の共有とどんなネタを書くかの相談です。例えば、明日(取材したのは4月9日)はステンレスボトルの日なんですよ。

月曜日(4月8日)の会議で「羽鳥さん、いつもたくさんボトル持ってますよね」という話になって、じゃあ、俺が書くよとか。今度、松屋の新商品出るから、これはサンジュンに書いてもらおうとか。

古田
出社はどうなっていますか?

羽鳥
月曜日と金曜日がテレワークの名残で基本は家で、火水木は出社です。でも、火曜日は小さいお子さんがいる家庭は来なくてもいいことになってます。

取材に伺った火曜日のオフィスの様子

古田
組織の大方針とか今年の目標とかは、どうやって決めてますか?

羽鳥
あんま目標って掲げてないんです。 生き延びれればいいな、みたいな(笑)。ミーティングの最後に広告担当から「広告単価が下がってきつい」みたいな話はあります。

古田
KPIの設定とか、例えばPV目標とかもないんですか?

羽鳥
数字で言えば売り上げですけれど、高い目標を立てたとしても、広告タイアップがどんだけ入ってくるかわからないし、ネットワーク広告なのでPV次第なところもあるし。目標としては立ててないですね。

個性派揃いの編集部 タレント化と長続きの秘訣

古田
数字を追いかけるのに必死になるメディアが多い中で異色ですね。

編集部のメンバーも個性的で長く専属で働いていて、読者にとって馴染みのライターが多いですよね。メンバーの入れ替わりが早かったり、外部ライターに頼ったりする編集部が多い中で、これもロケットニュースの特徴です。

羽鳥
私は2010年からで、10年ぐらいやってる人ばかりですね。新しい人が、なかなか馴染まないからだけかも(笑)。 それと「馴染みのライター」になれるような方向性でやってます。タレントにする的な。

編集部は専業の社員ライターを中心に、外部のライターの記事も載せている

古田
それは戦略として?

羽鳥
戦略ですね。自分が編集長になったのは 2014 年。ライター個々人がタレントみたいになれる感じを目指したんですよ。

自分が20歳から漫画家でフリーでやってきて、初めての就職がここ。だから会社とは何かを知らない。常にフリーの考えがあって、会社が潰れた時にみんなが困らないようにしたいなって。

「佐藤だったらこれ」「羽鳥だったらこれ」みたいな生きていける術を身につけてもらいたかった。これはみんなとも話して、考えを共有できていると思います。

古田
僕もBuzzFeed編集長時代に同じようなことを編集部のみんなに言いました。

この業界は厳しくて、10年後に同じように働ける人は少ない。だから、それぞれが2つずつ得意分野を持とう。その分野なら本を書いて欲しいとか、講演して欲しいと呼ばれる分野を作ろう、と。

一つだけだと、その分野の人気が下がったり、スターが全部持っていったりする危険性があるからです。

でも、「一人一人が得意分野を持とう」と言っても、結局はその人次第なところもありますよね?

羽鳥
ロケットはそれが上手い人が多いと思います。この分野ならこの人ってイメージしてもらえるブランディングができている。そういう見本を僕自身も見せるようにしています。

迷惑メール評論家(GO羽鳥の【実録】迷惑メールシリーズ の記事まとめ)とか、そば(家そば放浪記 の記事まとめ)とか、100均(100均検証 の記事まとめ)もそうです。

「こうやるとその分野の専門家としてテレビとかにも呼ばれるよ」とアドバイスしてます。

大量に届く迷惑メールや詐欺メッセージ。それらにあえて乗っかることで体当たり取材を続けている。専門家としてテレビ出演や講演活動も

取材力や文章力の習得は「自分次第」

古田
ただ、得意分野を作るにしても、基本となるのは取材力や文章力や発想力なのでは?

羽鳥
取材力に関して言うと、一番最初の頃に先輩ライターに 1、2回ついて行くぐらいで終わりです。俺もそうでした。あとは失敗して失敗して自分流を構築していくと思うので。

例えば、自分はインドア派であまり取材には行かない人です。でも、たまにはお店に取材に行くこともありますよね。そういうときは「取材の許可ってどうやって取るの?」と得意な人に聞きます。

「食べ終わってから、『美味しかったです!これ記事にしていいですか』って名刺を出すんです」と言われて、そのまま真似したら上手くいった。

人によってやり方は違うけれど、そうやって学んでます。

古田
記事の書き方マニュアルがあるわけではないんですね。

羽鳥
みんな手探りです(笑)。それぞれに当たったかどうかを敏感に察知して、反省したり書き方を変えたり。これは内部ライターの場合は特にそうですね。

外部ライターは専業ではないし、「原稿を預けたら終わり」な世界観でもあるので、進歩するかどうかは自分次第な気もします。最終的には内部も外部も「自分次第」。原稿料なども「実力次第」の設定になっています。

文章は短くテンポよく「ドラえもんがちょうど良い」

古田
ロケットニュースの記事はライターそれぞれに特色があるけれど、一文が短くて構成がシンプルで写真やGIFを効果的に使ってスラスラと読みやすいなと思っています。凝った文章にしないように凝っているんですか?

羽鳥
長い文章って、私、読めないんですよね(笑)。私が率先して短い文章でテンポよく書くようにしています。そのスタイルを取り入れてくれる人もいるし、そうじゃない人もいます。

古田
編集のときに、細かく修正はしないんですか?

羽鳥
文章の塊が長すぎてスマホで読むのが辛いときとかは改行を入れまくります。冒頭部分が重たすぎて読む気をなくす文章だったら、頭を軽くして、スッと読み下せるようにする。どこをなぜ修正したかはログで丁寧に残して伝えます。

古田
新聞とか雑誌とか本とか文章術を学んだりします?

羽鳥
新聞は全く読みません。本は頑張って読もうとしますけど、興味がある内容じゃないと難しいですね。

古田
僕は元々は新聞社に13年いて、いろんなことを学びましたが、ネットで書く文章と新聞紙に書く文章は構成やテンポなどを大きく変えたほうが良いと思っています。

先ほど羽鳥さんが話した「頭が重い」という話でいうと、新聞記事は最初に5W1Hを詰め込む「前文」という文章を200字ぐらいの一塊で書くのでどうしても頭が重い。

ネット中心でキャリアを積んできた人の文章は、スマホで読みやすい軽やかさとテンポの良さ、それと読者からどう見られるかの意識が強いなとBuzzFeed Japanの編集長をしているときに気づきました。

羽鳥
なるほど。うちだと僕はあひるねことか西本大紀の文章が非常に上手いなと思っています。あひるねこは元々、漫画喫茶で働きながらたまにうちで書いてたんですが、あまりにセンスがいいので一生懸命口説いてライターになってもらいました(笑)。

あひちゃん(あひるねこ)はね、とにかくワードの使い方も構成もテンポも写真の入れ方も何もかもが上手い。最初から最後まで夢中になって読めるから、ほぼ離脱しないんじゃないかな〜。

あひるねこさんの記事。以下が冒頭部分

エンナァジイイイィィィッッ! みんなエナってるか? 久しぶりだな。エナジードリンクをこよなく愛する男、エナジーマンだ! 今回は複数のエナジーフレンド、略してエナフレから寄せられたエナジータレコミ、略してエナコミをご紹介したい。

あの激安スーパー「オーケー」が、なんとオリジナルのエナドリを発売したというのだ。な、何ィィィィィィイイイイ!? 俺はエナジーマンであると同時に、オーケーに激しく心酔する “OKの民”。

よってこの記事に限り、自身をOKエナジーマンと名乗ることにする! レディオヘッドの『OKコンピューター』みたいでイカすだろ? OOOOKEEEEEエンナァジイイイィィィッッ!!

・オーケーは最高
オーケーの魅力は安さだけにあらず。独自に販売しているオリジナル商品にも注目である。俺のオススメは『ヴィット トマト&バジルソース』というパスタソースだ。

リッツにのせてオーケーリッツパーティーでも開いた日には、そのあまりのウマさによって沢口靖子も無言になること必至。詳しくは昨年の記事をご覧いただきたい。

あひるねこさんの記事より

西本くんは、文章そのものが上手い。絶対につまづかない文章を書くし、ワードセンスも抜群。彼は小説とかも書いてるみたいなので、文章だけで勝負できる「剣豪」みたいな感じがします。

ウチでは「絶対に難しい漢字とか言葉とか言い回しを使うな!」と私が口酸っぱく昔から言ってるんです。漫画『ドラえもん』に出てくるくらいの言葉が最適だと。なぜなら、私が読めないから(笑)

読めなかったら、そこで離脱。それなら、誰もがわかる言葉で構成したほうが得じゃないですか。中学生くらいでもスラスラ読める文章にしようってのは昔から伝えています。

その点、西本くんは、そのギリギリで来る。「中学生ではわからないかもだけど、なんとなく前後の雰囲気でわかる」みたいな言葉や言い回しを使ってくる。上手いです。

一方、あひるねこは総合的に上手い。これは彼が根っからの漫画好きだからってのもあると思います。記事の作り方が漫画的なんですね。だから起承転結がしっかりしてる。

漫画家である私の記事もまた、漫画的であると思いますし、総合格闘家的であるとも思います。できる表現、すべて使う的な。一方、西本くんはボクサー。あひちゃんは、キックボクサーかなぁ。

一気に教えたら混乱するから、聞かれたら教える

古田
格闘技が好きな人しかわからない例えですね。僕はわかりますが(笑)。新しく入った人を育てる研修役はいますか?

羽鳥
いますけど、社内で使っているワードプレスとプロジェクト管理ツールの使い方を研修するぐらいです。

古田
写真の撮り方とかは?

羽鳥
聞かれたら教えます。一気に教えたら混乱しちゃうから。写真とかGIFとか、本人が新しい手法をやりたくなったら聞いてくるはずなんで、それまで待ちます。

あとは、記事を出してきたときに「これはもうちょっと明るく」とか「テーマとなる対象を中心に撮ったほうがいいよね」とか、その時々で補正していく感じです。

動画的に情景を説明するGIF使い

経歴や学歴は問わない 発想やセンスにこだわる

古田
記事を監修する役は編集長以外にいますか?

羽鳥
ロケットは編集者という役職は 3 人しかいません。私と和才副編集長原田。この三人で記事を見ています。記事が間違っていないかとか、見出しや文章の修正もしますし、記事の配信スケジュールも調整しています。

文章の修正をする際は、なぜ、この部分はこう変えるのかみたいな説明も細かくログに残すようにしています。そういう作業を通じて研修している感じですね。

古田
ロケットニュースは編集部員が参加する企画が多いですよね(【いい夫婦の日】妻帯者全員、妻の服を着て出社してみた!)。仲が良さそうですが、どうやって採用しているんですか?

大人気企画「妻の服で出社してみた」

羽鳥
経歴や学歴は問いません。私が高卒ですし。

ただ、発想にはこだわります。文章が上手くても、発想やネタの切り口に面白さがないと難しいです。文章は後からでも教えられるけれど、発想を教えるのは難しい。あとはなんというか、センスですね。

古田
センスって具体的にはなんですかね?

羽鳥
言語化するのは難しいですし、応募原稿の一発目でめちゃめちゃ光ってて即採用したけど、それがピークだったという例もあります。なので「これがセンスがいい」というのは説明が難しいですね。

逆にこれはダメだなと思うのは「書きたいネタを送ってきてみて」というと、すでにロケットがやっていることを書いてくる人です。「私もできます」と言われても、すでに同じテーマを書いている人がいるからかぶってしまいますよね。

それと、自分の手に届く範囲で書く人。実は海外からもロケットで書きたいという応募はよく来るんですが「アメリカの激うまスイーツ」とか書かれても、読者は日本に住む人ですよね。日本ですぐに手が届くコンビニとかスーパーで売っているものじゃないと。

その辺がイメージできてないときついですね。

古田
昔、人気ライターのよっぴーさんと一緒にイベントに登壇したときに、記事を書くときは「広さ・深さ・近さ」を考えると言ってました。広さは読者人口、深さは記事の深掘り度合い、近さは身近さ。

例えば、山梨県の記事を書くときに「山梨」と書くとメイン読者が山梨に限られるけれど、「東京から2時間のオアシス」みたいに書くと読者層が東京に広がる。僕はすぐに取り入れました(笑)。

そういう発想があると、アメリカの話題だって日本にひきつけられるかもしれませんね。

羽鳥
まさにそうですよね。アメリカに住んでも日本に絡めて書けるはずなのに、それが足りない。アメリカにある日本のチェーン店とか。

読者に関係してないと興味持たれないという配慮ができてるかどうか、みたいなところを見ますね。あとは、どれだけ本気かというのは見ます。なんやかんや、「まじめ」な人、真剣な人を採用します。

「東京ドームのリングで戦う覚悟を持って欲しい」

古田
真面目とか真剣ってどういう尺度で測りますか?

羽鳥
月3本書いて「ライターです」みたいな話ではなくて、ライターを本気でやるなら本気でやっていくという覚悟です。

何を表現したいのか。読者に真剣に立ち向かえるか。個人ブログではないという覚悟が必要です。今もライターを募集していますが、個人ブログから抜けられていない人が多いです。

古田
個人ブログとプロの書き手の違いはなんでしょう。

羽鳥
より多くの人に読まれていることをイメージしながら書くことだと思います。

プロレス好きですぐに例えてしまうんですが、ロケットニュースは東京ドームのリングです。5万人が見ている。ドームの一番後ろの席から見ている人もいる。その人に指先の動きまで見えるように書いて欲しい。


個人ブログは私も書いていますが、そちらは自分が書きたいものを書く場所です。

ブログやSNSでの個人発信も続ける羽鳥編集長

古田
なるほど。僕は「プロダクトアウトではなくマーケットイン」という話をよくします。

自分たちはこの「プロダクト=記事」を作れるからという理由で記事を出すのは「プロダクトアウト」。そうではなくて「世の中=マーケット」が何を必要としているかを考えて記事を出すのが「マーケットイン」。

僕自身の失敗体験なんですが、朝日新聞の記者からデジタル担当に変わったときに、デジタルで動画やデータビジュアライズができるのが楽しくて、そういうコンテンツをどんどん作ってました。

でも、ネットは動画が使えるから動画を使う、という発想ではなく、読者にとってどんな動画が必要かという視点が足りませんでした。

その視点がなかった理由の一つに、新聞記者時代って読者データを見ていなかったからというのがあると思うんです。どういう読者がどのように記事を読んでくれているのか。自社だけじゃなくて、世の中全体も含めて。

羽鳥
ロケットニュースは基本的に、自分たちが書きたいものを書くんですが、それがどう見られるのか。どれだけ多くの人に見られるのかは意識して欲しいと思っています。

仲が良くなかった母とライブに行くという個人的な話も親しみやすい文体で広く感動と共感を呼ぶ

PV狙いの芸能ネタをやめて手に入れた個性

古田
ロケットは2009年の設立で老舗のネットメディアです。多くのネットメディアが潰れたり、縮小したりしていくなかで長生きの秘訣はなんですか?

羽鳥
うちもきついですよ(笑)。長生きの秘訣は正直わかんないですけど、自分が編集長になってから、芸能ネタとかやめたんです。

芸能ネタってドラッグ的なところがあって、やたら PVがくるんですけど、嫌になっちゃって止めようって。

古田
自分たちが楽しくなかったってことですか?

羽鳥
そう。私が嫌だった。芸能ネタで伸びても嬉しくないみたいなのがありました。他のメディアは芸能ネタをする中で、差別化できたのが生き残るポイントの一つかもしれません。

古田
「ロケットでしか読めない記事」みたいなのはありますね。他のメディアが書いたとしても「これはロケットの二番煎じだ」みたいな。

それも戦略的な動きでしょうか。

羽鳥
「これはロケットっぽい」みたいに言ってもらえるのはありがたいです。

戦略としてやってきたかというと、私はそうしたいみたいなのがありますが、自分が言ってもすぐにそういう方向に行くというものでもないので、率先してやって、ちょっとずつという感じですかね。

100万円の古民家を買って再生する企画。3年近く続いて、少しずつ綺麗になってる

収入は広告のみ あの名物企画はめちゃくちゃ読まれてた

古田
苦労して書いてもほとんど読まれず、メディアの収入につながらないこともあります。

羽鳥
うちの収入源はネットワーク広告とスポンサード記事広告の2本だけです。

でも、この2本だけだとマジで死ぬなと思って、最近やっとちゃんとアフィリエイト広告のリンクを入れるようになってきました。うちは記事の中で商品を紹介することが多いので、これまでも入れたらよかったんですが(笑)。

古田
確かに。ロケットの記事はアフィリエイトを入れているんだろうと思っていた読者も多いと思います。毎年恒例の福袋企画(福袋 の記事まとめ)はどうなんですか?

正月恒例の福袋をとにかく買いまくって、徹底的にレビュー。本音の批評が人気

羽鳥
あれは凄く読まれるから、福袋を経費で買ってもPVだけで黒字だったんですよ。1年で最も読まれるピークだから、年始は休まず頑張って書いてます。

ただ、今年は1月1日から能登半島地震があって、我々としても福袋企画をやっていいのかと悩みながらの辛い状況でした。

古田
PVだけで黒字!業界関係者が驚きそうですね。ネットも新聞もテレビも、メディアの状況は厳しいだけに。

ライターやエディターの仕事をしたい・続けたいと思う人は多いですが、現実にはこの業界に入ってくる人は減り、離れていく人は増えています。「10年後の自分や業界が不安だ」という声もよく聞きます。

どういう言葉をかけたいですか。

個人が生き残るということ

羽鳥
ロケットニュースだってあと10年持つかと聞かれたら「どうかな?」と思います。それでも、まだテキストコンテンツで戦えると思っているところもあります。

(内容を教えてもらいましたが秘密です。4月24日のセミナーでは話してくれるかも)

古田
それ、絶対に当たりますね!

僕が好きなのはハイパーローカルメディアです。すごく狭い地域に特化してる。例えば、東京湾岸の豊洲には「とよすと」というメディアがあります。

豊洲とその周辺に特化して、お店やイベントの情報を大量の写真付きで細かく紹介してくれる。地元愛に溢れてるし、住民の役に立ちますよね。

羽鳥
そういうの最高ですね。

古田
メディアや業界がどうなるかだけじゃなく、個人として生き残れるのかという不安もよく聞きます。

羽鳥
例えば、うちにいる佐藤英典さんって、43 歳からポールダンス始めて(【実践】40代のオッサンがポールダンスに挑戦してみた! どう見ても木登りの下手なサルにしか見えない)、今は50 歳でもう先生までしてるんですよね。 

古田
子供の頃は運動神経が悪いと思い込まされていたのに、中年になってから始めたポールダンスで、憧れの技が少しずつできるようになってくるという記事、大好きです(【コラム】歳を重ねたら「適性」がナニかまったくわからなくなった)。

僕も46歳ですが勇気づけられるし、自分もやりたくなります。

ポールダンスを始めた頃の佐藤さん(左)と今の佐藤さん(右)

羽鳥
私も佐藤さんの教え子なんですけど、こないだ、「佐藤さん、ロケットニュースが終わってもポールダンスのスタジオやれるね」って話をしました。

私も飲食とかをやるんじゃないかな。大儲けはできなくても、生きていくことはできると思ってます。5万円海外旅行企画の経験を生かしてツアーコンダクターとかもいいし。

航空券も宿代も入れて5万円以内で海外旅行をする企画。安いだけじゃなくてちゃんと楽しそう。

生き様で勝負する

古田
たんに記事を書くだけじゃなくて、こだわってそれを続けていくことで、文字通りの生きる糧になるんですね。まさに生き様だ。

D-JEDIではいろんな技術や知識を共有していきたいと思っているんですが、同時にこの仕事をどうしてもやりたい、学びたい、成長したい、という根本の志がないと始まらないし、続かないと思っています。

羽鳥
日々の積み重ねですよね。

それと、とりあえずやってみよう、という感じですかね。まだテキストにも未来はあると私は思っています。それを常に探しています。あきらめてたら試合終了です。なので私はまだまだあきらめていません。

キャリアに関しては、人それぞれ立場や生き方はあると思いますが、ウチは「生き様」で勝負しています。

やり続けたら他のところから声かけられるような、そんな仕事をしてほしいです。無駄な打席は1つもないという気持ちでバッターボックスに立って欲しい。ホームラン打とうが三振しようが、全力で振り切って欲しい。

その積み重ねが、生き様になると思っています。

ライティング・編集セミナーは4月24日

D-JEDIは、ライティング/編集スキルアップのための連続講座を開講します。企画、情報収集、取材、執筆、編集、映像、デジタル技術やAI活用、編集部運営やビジネス面も含めたメディアグロース、知っておくべき法的知識など、基礎から応用まで幅広く学びます。

申し込み

初回は4月24日午後8時‐9時半、申し込みはこちら。

仕事の依頼が途切れない、一生食べていけるライター・編集者に必要なスキル・条件はなにか?

連続講座の初回となる本講座は、行列のできるライラー/インタビュアー、メディアが興亡を繰り返す時代にも、根強い人気で前進するメディアの編集長らが登場。プロフェッショナルが身につけるべきスキル、今のメディアが求めるライター/編集者像、プロとして仕事を続けていく極意を、ふんだんにお聞きします。

開催概要

▷日時 2024年4月24日(水)20:00-21:30
▷開催形式 オンラインライライブ配信
▷講師
宮本恵理子氏(ライター/インタビュアー/編集者)
羽鳥豪氏(ロケットニュース24編集長)
神保麻希氏(サイボウズ式編集長)
▷参加費用
  ライブ配信+アーカイブ映像チケット(一般):2,000円
  ライブ配信+アーカイブ映像チケット(D-JEDI有料会員):無料
 ※講義資料はD-JEDI有料会員のみに提供させていただきます
▷主催
 一般社団法人デジタル・ジャーナリスト育成機構(D-JEDI)