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オープンデータ活用術・完全版【第2章】③NPO法人を調べる

D-JEDI理事:熊田安伸

今回はNPO法人の調べ方について解説します。こちらも情報を入手するのに便利なサイトがあります。また公益法人と同様に、どういう状態なら問題だといえるのかという一つの目安がありますので、それも合わせて紹介します。

NPO法人の情報のありかは、その種類による

ボランティアなど、非営利の活動をするNPO法人を設立するには、所轄庁(自治体)の認証が必要になります。所轄庁はそのNPOの活動範囲によって変わってきます。

  • 二つ以上の都道府県に事務所を置くなら「主たる事務所」のある都道府県

  • 一つの政令指定都市だけに事務所を置くなら、その政令指定都市

  • それ以外は都道府県

認証を得たら、その自治体に財務諸表や事業報告書などを提出する必要があります。提出された資料は、閲覧や複写が可能です。

さらに事業年度当たり3000円以上の寄付をしてくれた人が平均100人以上で
あるなどの条件を満たせば、所轄庁から認定を受けることができ、「認定NPO法人」となれば、税制上の優遇措置も受けられるようになります。認定NPO法人の資料は、所轄庁だけでなく法人の事務所でも閲覧・複写が可能になり、ホームページにも掲載されます。

ちなみに「特例認定NPO法人」というものもあり、内閣府の説明によると、「設立後5年以内のNPO法人のうち、運営組織及び事業活動が適正であって特定非営利活動の健全な発展の基盤を有し公益の増進に資すると見込まれるものにつき、要件からパブリック・サポート・テスト(注 前述の寄付金の基準)を免除し一定の基準に適合した場合は、税制上の優遇措置が認められる『特例認定』を1回に限り受けることができます」とのことです。

「内閣府NPOホームページ」を使う

基本的な情報なら、所轄庁に行かずとも入手できます。内閣府が運営する「内閣府NPOホームページ」には、全国のNPOの情報が集まっています。

内閣府NPOホームページより

「検索」というところをクリックすると、キーワードやエリア、活動分野などからも探すことができ、法人ごとに基本情報が記載されたページが表示されます。

実際にやってみましょう。私自身が運営に関わっているNPO法人「報道実務家フォーラム」をキーワード検索で探してみます。すると、このように基本的な情報が表示されました。

より詳しい情報が欲しいときには、そのページに貼られているリンクから所轄庁のサイトを表示することができます。

ここからは会員限定です。実際にどんな資料が入手できるのが、具体的な事例を見ながら問題点などをチェックする方法などを解説します。

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