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D-JEDI連載「取材や調査に役立つオープンデータ活用術」

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あなたが苦労して調べても手に入らなかった情報、実はネットですでに公開されているかも。「オープンデータ活用術」では、NHKで調査報道に携わり、現在はSlowNewsシニアコンテンツ…
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#取材

オープンデータ活用術 情報を記事に結実させるには

NHKで公金をテーマとした調査報道をライフワークとし、数々のスクープを放ってきた熊田安伸さん(現SlowNewsシニアコンテンツプロデューサー)による人気連載「取材や調査に役立つオープンデータ活用術」(全37回)が、5月で完結しました。 2022年12月に出版した「記者のためのオープンデータ活用ハンドブック」(新聞通信調査会)に加筆修正。調査報道や資料収集に役立つこの連載を目当てにデジタル・ジャーナリスト育成機構(D-JEDI)の有料会員になった方も多いでしょう。 連載終

オープンデータ活用術・完全版【第3章】⑧情報源の作り方(後編)

D-JEDI理事:熊田安伸 企業の問題を明らかにする取材などの場合、いくらオープンデータを入手したとしても、最後はやはり当事者に当たらなければなりません。前回に続いて、取材の「ラストワンマイル」を埋める方法、情報源の作り方を紹介します。 ステップ⑤ 真実性の確認不平、不満のある社員から手に入れた「不正の証拠」が使えるかというと、そのままでは危険です。恨みを抱いた提供者の資料の解釈が間違っている可能性があるかもしれませんし、場合によっては歪んだ考えを抱いて捏造してしまうこと

オープンデータ活用術・完全版【第3章】⑦情報源の作り方(前編)

D-JEDI理事:熊田安伸 企業の問題を明らかにする取材などの場合、いくらオープンデータを入手したとしても、最後はやはり当事者に当たらなければなりません。結局はどうしたらいいの、という声も聞きますので、私なりの方法論ではありますが、こちらに公開しようと思います。 経済事件の取材ではまず間違いなくこの手でうまくいってきたので、それなりに効果はある手法だと思っています。 ステップ① 閉鎖登記簿などで辞めた役員を調べる大前提として、企業の関係者のところにいきなり飛び込んでも、