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D-JEDI連載「取材や調査に役立つオープンデータ活用術」

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あなたが苦労して調べても手に入らなかった情報、実はネットですでに公開されているかも。「オープンデータ活用術」では、NHKで調査報道に携わり、現在はSlowNewsシニアコンテンツ… もっと読む
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2023年1月の記事一覧

オープンデータ活用術・完全版【第1章】③国のデータがまとまっているサイトは

文:D-JEDI理事 熊田安伸 「e-Govポータル」を使う「e-Govポータル」は「電子政府の総合窓口」で、「行政機関が発信する政策・施策に関する情報、行政サービス、各種オンラインサービスなどに関する情報を対象に、情報ナビゲーションに資することを目的としたWebサイト」です。 国が提供するさまざまな情報がどこにあるかを知らせるポータルサイトになっていて、例えばここから一部の行政文書の情報公開請求などもできるのですが、今のままではどうにも使い勝手が悪い(そもそも行政文書フ

オープンデータ活用術・完全版【第1章】②官報は凄いツール

文:D-JEDI理事 熊田安伸 「官報」は使えるツールです「官報」は、法令など政府情報を国民に広く伝えるため、内閣府が行政機関の休日を除き毎日発行しているものです。法令だけでなく、政府関係機関の入札公告や地方公共団体の公告なども載るので、これを使って調べることができます。 実は官報は、他にも個人に関する情報など、さまざまな情報を調べる万能ツール。それは後の章で解説するとして、まずは基本的な利用法と入札関連の調べ方について説明します。 国の事業については、建設工事なら工事

オープンデータ活用術・完全版【第1章】①国の事業や支出先を調べる

文:D-JEDI理事 熊田安伸 まずは国の事業が適切に行われているかどうか、予算やその執行、事業内容について調べたいときに使えるオープンデータの入手方法を紹介していきます。 2012年に放送された「NHKスペシャル シリーズ東日本大震災『追跡 復興予算19兆円』」は、増税によって賄われた復興予算が被災地とは直接的には関係ない事業に次々と使われていった実態を明らかにし、話題になりました。指摘を受けて、国は一部の事業の事業費を国庫へ返納する措置を取らざるを得なくなりました。